【10月4日 AFP】ロシア連邦捜査委員会は3日、北極海の石油採掘に反対する抗議を海上で行い身柄を拘束されていた国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の活動家30人全員を、海賊行為の罪で起訴したと発表した。有罪となれば、長期の禁錮刑が科される可能性がある。

 同委員会によると、30人は「Prirazlomnayaの海底油田掘削用プラットフォームに対する攻撃」を行ったとして、「組織的集団による海賊行為」の罪で全員が起訴された。有罪が確定すれば、ロシア国内で最長15年の禁錮刑が科される。14人が2日に、残る16人が3日に起訴された。

 一方、グリーンピース側は、乗組員らはいかなる罪も犯していないと主張している。起訴された乗組員らの国籍は、英国、ロシア、ニュージーランド、カナダ、フランスなど18か国だという。

 ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相の事務所は3日、ヘイグ外相がグリーンピース英国事務所のジョン・ソーベン(John Sauven)代表と会い、英国籍の活動家6人が逮捕されたことについて話し合ったと発表。またヘイグ外相が先週、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と同問題について協議したことも明かされた。

 活動家らは9月18日、ロシアが計画している北極海の石油採掘事業に対する抗議活動を行い、うち数人が海底油田掘削用プラットフォームによじ登った。

 ロシアの国境警備隊は、オランダ国籍のグリーンピース抗議船「アークティック・サンライズ(Arctic Sunrise)」にヘリコプターを使って乗り込み、乗組員を船室に監禁、船をモスクワ(Moscow)の北約2000キロにあるムルマンスク(Murmansk)にえい航した。(c)AFP/Anna MALPAS