【9月30日 AFP】皇居周辺をジョギングするランナーによる非常識な行為が相次いでいることを受けて、当局はランナーに対してマナーを意識するよう警鐘を鳴らしている。

 皇居が住所を置く千代田区役所によると、皇居を訪れた観光客やお年寄りに対してランナーが背後から激突し、謝罪がないまま走り去るといったケースの報告を受けているという。

「いくつかのケースでは、被害者がランナーによって悪態をつかれたり、罵声を浴びせられたりしています」

 皇居の敷地内は厳戒な警備体制が敷かれているものの、周辺の一帯は公共の場として開かれており、コンクリートに覆われた東京都心にあって自然豊かな緑地が広がっている。一日あたりの平均ランナー数はおよそ1万人に上る。

 千代田区役所にはここ3年から4年間で約100件の苦情が寄せられており、同区役所は歩行者優先、反時計回りに走る、礼儀正しく振る舞う、といったルールを守るようランナーに注意を促す看板を設置した。

 本来の国民意識は厳しい行動規範によって統制されており、地下鉄の乗り方から公衆浴場の使い方まで、やっていいこととやってはいけないことが至る場所に掲示されている。

 一部の年配者は従来の行動規範が損なわれていることを嘆いてはいるものの、人口が過密している東京でも公共の場における衝突や非常識な行動は今でも非常に珍しい光景といえる。(c)AFP