【9月30日 AFP】イタリアのエンリコ・レッタ(Enrico Letta)首相は29日、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相率いる自由国民党(People of FreedomPDL)所属の閣僚5人全員が辞任表明したことを受け、内閣信任投票を10月2日に上下両院で行う意向を表明した。

 同国では、自由国民党所属の全閣僚がベルルスコーニ元首相の要請に基づき28日に辞任表明したことで、5か月前に成立したばかりの政権は崩壊の危機に陥っている。レッタ首相は29日のテレビインタビューで、「(両院の信任を)得られなければ、自分なりの結論を出す(…)全てを犠牲にしてまで政権を担うつもりはない」と述べた。

 5閣僚の辞任表明は、付加価値税(VAT)の引き上げを遅らせる議論を拒否したレッタ首相への反発が、表向きの理由とされているが、上院では8月に脱税で禁錮1年の有罪判決を受けたベルルスコーニ元首相を追放するための投票が準備されていたことなどから、伊メディアは閣僚辞任の原因が裁判にかけられている元首相にあると報じている。(c)AFP