【9月30日 AFP】フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島サンボアンガ(Zamboanga)で続いていたイスラム武装勢力「モロ民族解放戦線(MNLF)」との戦闘について、政府軍報道官は28日、武装勢力をほぼ制圧したと発表した。しかし、この発表以降も周辺地域では戦闘が散発しているとの情報もある。

 MNLFは分派のモロ・イスラム解放戦線(MILF)と政府との間で進められていた和平交渉に反対し、サンボアンガを襲撃した。これを制圧するために、政府軍が軍事作戦を展開していた。政府軍によると、一連の戦闘により、MNLFメンバー183人が死亡、292人が拘束された。一方で、政府軍兵士および警察官計23人と民間人12人も死亡している。

 軍事作戦開始から20日が経過した同日、ラモン・ザガラ(Ramon Zagala)政府軍報道官はAFPに対して「サンボアンガでの脅威は去った。敵は組織的な抵抗力を失っている」と明言した。ただ、この直後には、武装勢力3人が死亡、政府軍兵士6人が負傷する戦闘が起きており、戦闘が散発しているとの報告を裏付けた。

 1970年代にMNLFを創設した指導者ヌル・ミスアリ(Nur Misuari)氏は3週間前、組織幹部のハビエル・マリク(Habier Malik)氏の主導で数百人規模の支持者をサンボアンガに送り込み、競合するイスラム武装勢力との和平交渉の妨害を図った。ただミスアリ氏もマリク氏も所在不明となっており、政府は国内南部の別の地域に潜伏中と見ている。

 MNLFは、人口100万人余りのサンボアンガの沿岸地域で大勢の人質を取り、4500人規模の政府軍による掃討作戦の足止めを狙った。同地域で展開した激しい戦闘では、住宅1万戸余りが破壊され、人口の約10%に相当する住民約10万人が避難した。

 フィリピン当局者は同日、MNLFが拘束していた人質195人全員が救出・解放されたとの見解を示した。(c)AFP