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ケニア襲撃事件、「白い未亡人」に集まる注目

2013年9月25日 17:09 発信地:ロンドン/英国

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ケニア襲撃事件、「白い未亡人」に集まる注目
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ケニアの首都ナイロビ(Nairobi)で起きたイスラム過激派による高級ショッピングモール襲撃事件で、武装グループに加わっていた可能性のある英国人の女「白い未亡人(White Widow)」ことサマンサ・ルースウェイト(Samantha Lewthwaite)容疑者の偽造旅券の写真(2011年12月公開)。(c)AFP/KENYAN POLICE

【9月25日 AFP】ケニアの首都ナイロビ(Nairobi)で起きたイスラム過激派による高級ショッピングモール襲撃事件で、「白い未亡人」と呼ばれる英国籍の女の存在に注目が集まっている──。ケニアのアミナ・モハメド(Amina Mohamed)外相は23日、犯行グループにこの女が含まれていたことをメディアで示唆していた。

「白い未亡人(White Widow)」こと、サマンサ・ルースウェイト(Samantha Lewthwaite)容疑者(29)は、2005年のロンドン同時爆破テロで自爆した4人の1人、ジャーメイン・リンゼイ(Germaine Lindsay)容疑者と結婚し、3人の子どもがいる。

 ナイロビでの襲撃事件へのルースウェイト容疑者の関与については、ケニア政府から相反する見解が出されていた。23日にはモハメド外相が、犯行グループに英国人の女が加わっている可能性があるとの見解を示したが、一方でジョセフ・レンク(Joseph Ole Lenku)内相は事件への女の関与を否定し、女装した男がいたと述べていた。

 ルースウェイト容疑者の出身国である英国政府は、同件についての見解は示していない。

 ロンドン同時爆破テロの容疑者の1人であるジャマイカ出身のリンゼイ容疑者は2005年7月7日、爆発物が入ったリュックサックを背負い、ロンドン市内の地下鉄車両内で自爆したとされる。ロンドン同時テロ全体では計52人の犠牲者が出ているが、このうちリンゼイ容疑者が起こした爆発では26人が死亡した。

 リンゼイ容疑者の妻のルースウェイト容疑者はこの事件後、慄然とした心境について明らかにしていた。残虐行為に対して怒りと恐れを覚えるとしながらも、リンゼイ容疑者については「愛すべき良い夫で、素晴らしい父親」だったと評し、「このような凶悪な罪を犯せる人には見えなかった」と述べていた。

■謎に包まれたその実態

 ケニア警察は、ルースウェイト容疑者が南アフリカの偽造パスポートを使って移動していたとして指名手配した。南アフリカ当局もパスポートの件で捜査中だとしている。ルースウェイト容疑者は3人の子どもと共に逃走を続けていたとされ、パスポートには「ナタリー・フェイ・ウェブ(Natalie Faye Webb)」の偽名が記されているという。

 ソマリアを中心とした大陸東部の「アフリカの角(Horn of Africa)」周辺で発生している攻撃にルースウェイト容疑者が関わっているとの報道がみられるが、実態については不明な点が多い。

 英シンクタンク、王立統合防衛安全保障研究所(Royal United Services InstituteRUSI)のテロリズム専門家ラファエロ・パントゥーチ(Raffaello Pantucci)氏は、ルースウェイト容疑者がこの地域で「神話的な地位」を獲得したと述べる。「ナイロビでの事件にルースウェイト容疑者が関わっているとの確固たる証拠はないが、彼女を取り巻く環境を考慮すると、この文脈で語られることに驚きはない」

 ケニア英字紙デーリー・ネーション(Daily Nation)が治安当局者の話として伝えたところによると、ケニア国内の過激派の間でルースウェイト容疑者は、スワヒリ語で「白い姉妹」と呼ばれているという。またモンバサ(Mombasa)で潜伏していたとされる建物を2012年に警察が急襲したが、ルースウェイト容疑者はその捜査網をかいくぐって逃げ延びたとされる。

 24日の日刊紙スタンダード(Standard)によると、警察にはショッピングモール襲撃事件にルースウェイト容疑者が関係していたとする多くの通報が寄せられており、同容疑者と接触した可能性のある参考人に事情聴取が行われている。しかしルースウェイト容疑者と実際に、直接会ったことがあると証言した人物は一握りしか存在していない。

■ツイッターアカウント「MYC_Press」の正体

 ルースウェイト容疑者を取り巻く「うわさ」は、米マイクロブログの「ツイッター(Twitter)」上でも広がっている。ケニアの急進的ムスリム青年団体「ムスリム・ユースセンター(Muslim Youth Centre)」のアカウント「MYC_Press」で、ケニア国内でのイスラム原理主義について投稿を繰り返している人物が、他でもないルースウェイト容疑者ではないかとの憶測がある。このアカウントでは、対立する他のイスラム主義者との口論もしばしばみられたという。

 イスラム過激派組織アルシャバーブ(Shebab)戦闘員との銃撃戦で殺害された米アラバマ(Alabama)州出身のイスラム原理主義者オマル・ハマミ(Omar Hammami)容疑者は生前、ルースウェイト容疑者について「ケニアにいるただの女の子」とツイッターで嘲笑したことがある。

 この投稿に対してMYC_Pressは、「サム・ルースウェイトは、お前のことをいらいらするほど不愉快で、卑劣で愚かなムジャ(Mujahedeen、イスラム聖戦士)だと思っているよ」と返している。

 21日のショッピングモールでの襲撃事件発生以来、MYC_Pressのアカウントからの投稿はない。MYC_Pressは4月、AFPに宛てたメッセ―ジで、ルースウェイト容疑者が出身地にほど近いロンドン北部近郊のルートン(Luton)に帰ったとしていた。(c)AFP/Katy Lee

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