【9月25日 AFP】中国の国営新華社(Xinhua)通信は24日、中国が29日に商業の中心地である上海(Shanghai)に国内初となる自由貿易試験区を開設すると伝えた。

 面積およそ29平方キロメートルの自由貿易試験区には既存の国際空港、深水港(喫水の深い大型貨物船が入れる港)、保税地域、物流エリアが含まれる。この計画は先月、当局から正式に認可を受けたもので、世界第2位の規模となった中国経済の改革を推進し、上海に香港(Hong Kong)やロンドン(London)などに匹敵する競争力を持たせるのが目的で、そのための自由化措置が認められる。

 AFPが今月入手した同計画の草案によると、上海の国際的な地位を向上させる上で主な障害になっていた人民元に対する規制が緩和される。このほか試験区では、銀行や文化関連まで19の分野で規制が緩和される。

 さらに香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)は24日、試験区ではフェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)その他のウェブサイトも利用可能になると伝えた。中国の検閲当局は現在、共産党の支配力を弱め、政治・社会的混乱のきっかけになり得るとの恐れから、インターネット上のコンテンツを厳格に管理している。

 3月に就任した李克強(Li Keqiang)首相は上海の自由貿易試験区が新政権にとっての最大の成功例になることを期待していると、政府高官やアナリストらは指摘している。(c)AFP