【9月25日 AFP】ジンバブエ野生動物保護当局は24日、同国最大の自然動物保護区「ワンゲ国立公園(Hwange National Park)」内で、ゾウ81頭を含む野生動物が密猟者によってシアン化物で毒殺されたと発表した。

 政府の専門家らからなる調査団は21日、シアン化物中毒の報告を調査するためにワンゲ国立公園を訪れていた。ジンバブエ自然保護区管理局の責任者、ジェリー・ゴトラ(Jerry Gotora)氏は「われわれが22日に同公園を発った際には、シアン化物で毒殺されたゾウの総数は81頭になっていた」と語る。「他の動物も何頭か毒殺されたが、その総数はまだ把握していない」

 ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、CITES)によると、2012年には2万5000頭以上のゾウの密猟が行われたという。

 ゾウの牙は、アジアの象牙取引市場向けの需要が非常に高まっている。

 ゾウを殺害して牙を取る目的で自然動物保護区内の水飲み場を毒物で汚染した容疑で、9人がすでに逮捕されている。だがゴトラ氏によると、毒物は「報じられていたような水場ではなく、ゾウが草を食べる場所にまかれていた」という。

 同公園は1万4650平方キロもの面積を有するが、警備に当たる保護管は50人のみ。野生動物保護当局は、この10倍の人数が必要だと指摘している。(c)AFP