【9月23日 AFP】政府軍と少数派民族タミル人の反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Liberation Tigers of Tamil EelamLTTE)」との数十年に及ぶ内戦が2009年に終結したスリランカ北部州で21日行われた初の州議会選挙で、野党タミル国民連合(Tamil National AllianceTNA)が定数38議席中30議席を獲得して圧勝した。開票結果が22日発表された。

 北部州の州都ジャフナ(Jaffna)で海外報道陣を前に記者会見したTNAのC. V. Wigneswaran党首は、選挙結果は同州の有権者がタミル人による自治を求めている証しだと指摘。「北部州のタミル人が現在直面する最大の問題」は政府軍の存在であり「軍を一掃しなくてはならない」と述べ、かねて求めてきた軍の撤退を改めて要求した。

 Wigneswaran党首は今回の選挙結果を受けて、北部州の州知事に就任する。

 10万人以上が犠牲となった内戦終結から4年を経て初めて実施された選挙は、スリランカ国内で多数派のシンハラ人と、少数派タミル人との和解に向けて国連人権理事会(UN Human Rights Council)が促進してきたものだ。国際社会はシンハラ人とタミル人の権力分担を求めてスリランカ政府に圧力をかけてきた。

 タミル人は国内では少数派だが、北部州では人口の多数を占める。ジャフナ半島(Jaffna Peninsula)へのアクセスは現在も政府軍の管理下にあり、保安検査は一部で緩和されているものの、タミル人の市民たちは現在も監視されていると訴えている。(c)AFP/Amal JAYASINGHE