【9月23日 AFP】ドイツ連邦議会(下院)選挙は22日に投開票が行われ、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相(59)率いる保守与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が議席のほぼ半数を獲得して大勝し、メルケル首相の3期目続投が確実となった。

 欧州南部のユーロ圏国を見舞った財政赤字危機を無傷で切り抜けてドイツの欧州経済トップの座を維持し、「世界で最も強大な権力を持つ女性」と呼ばれるメルケル首相の手腕に、有権者が報いた形となった。

 暫定公式結果によるとCDU/CSUの得票率は41.5%で、単独での過半数確保には数議席及ばなかった。メルケル首相は今後、最大野党の社会民主党(Social DemocratsSPD)との「大連立」に動くとみられる。

 一方、CDU/CSUと連立を組む企業寄り政党で、内部の権力闘争にさいなまれていた自由民主党(Free DemocratsFDP)は、第2次世界大戦(World War II)後に結成されてから初めて議会での議席がゼロとなった。

 最終的な投票率は73%で、前回2009年の選挙から2%上がった。

 メルケル首相が2017年までの次期任期を務めあげれば、英国のマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元首相の11年を抜いて欧州で最も長期にわたり首脳の座についた女性となる。

 欧州経済危機に緊縮政策で臨んだメルケル首相とは対照的に、SPDは債務国の負債返済に寛大さと忍耐をもって接するよう主張している。だが識者らは、メルケル首相のCDU/CSUと中道左派のSPDが連立を組んでも、債務国への救済融資は厳しい経済改革との引き換えが条件とする首相の根本的な政策を変えるには至らないとみている。(c)AFP/Deborah COLE