【9月21日 AFP】今年の台風の中で最も勢力が強い台風19号(アジア名:ウサギ、Usagi)は21日、最大瞬間風速が80メートルを超える強風を伴い、高潮と集中豪雨をもたらしながら、台湾とフィリピンに接近した。

 20日未明に急激に勢力を強めた台風19号は、21日朝フィリピンと台湾の間のルソン海峡(Luzon Strait)を通り、香港(Hong Kong)など中国沿岸部に向かっている。

 米軍合同台風警報センター(Joint Typhoon Warning CenterJTWC)が日本時間21日午前0時に発表した速報によると、台風19号は風速約67メートル、最大瞬間風速約82メートルの強風を伴っており、大西洋のハリケーンならば5段階のうち2番目に強いカテゴリー4に相当する。JTWCの21日早朝の速報では台風19号は時速19キロで西北西に進んでいる。

 台湾国防相は20日、洪水と地滑りの危険地域に1600人以上の兵士を配置したほか、兵士2万4000人を待機させた。フィリピン当局は同日、北部の農業地帯タルラック(Tarlac)州の約240人を避難させた。

 中国では福建(Fujian)省の2万3000隻近くの漁船が嵐に備え退避し、養魚場がある沿岸部の4000人以上が避難したと国営メディアが21日未明に報じた。(c)AFP