【9月20日 AFP】昨年8月、南アフリカ・マリカナ(Marikana)のプラチナ鉱山で賃上げストに参加していた労働者34人が警官の発砲により死亡した事件で、国の調査委員会は19日、警察が虚偽報告を行っていたとして厳しく批判した。

 同調査委員会は、警察のコンピューターのハードディスクに記録されていたデータを調べた結果、「マリカナ事件の(警察による)説明が、われわれが見る限りいくつかの重要な点で真実でないことを証明する文書を入手した」ことを明らかにした。さらに、警察は文書の改ざんや隠匿、証拠の隠滅、虚偽の報告を行ったとも指摘している。

 この事件について警察側は、警官の発砲は武装した鉱山労働者に対する正当防衛だったと主張している。警察省の報道官はAFPに対し、「調査委員会の結論が出たわけではなく、調査はまだ継続中だ」としてコメントを避けた。

 調査委員会が結論を出す前に警察を非難する声明を出すのは異例。同時に調査委員会は、調査担当者が「数千ページ」に及ぶとされる資料を精査できるよう、委員会の開催を25日まで延期することも発表した。

 同調査委員会の報道官は今回の指摘について「まだ委員会にかけられてはいない」ことをAFPに明かし、「委員会でこれら(の問題)を見出したわけではなく、調査担当者の目に留まった不正行為の証拠だ」と述べた。

 この調査委員会は、昨年8月16日に英資源大手ロンミン(Lonmin)が開発する鉱山で発生したこの事件を調査するよう、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領が任命したもの。この激しいストライキでは、警官の発砲で34人の死者を出す前にも、警察官2人を含む少なくとも10人が死亡している。(c)AFP/Johannes MYBURGH