【9月19日 AFP】14日に行われたボクシング、WBA・WBC世界スーパーウェルター級王座統一戦の判定をめぐって集中砲火を浴びていたジャッジのC・J・ロス(C.J. Ross)氏が、辞職を申し出たことが明らかになった。

 試合ではフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)が判定の末、サウル・アルバレス(Saul Alvarez、メキシコ)を下している。

 地元紙ラスベガス・レビュー・ジャーナル(Las Vegas Review Journal)によると、ロス氏は17日にネバダ州立体育委員会(NSAC)のエグゼクティブディレクター、キース・カイザー(Keith Kizer)氏宛てに、無期限の休職を願い出る電子メールを送ったと報じている。

 試合は無敗を誇るメイウェザーが終始主導権を握っていたにもかかわらず、ロス氏が114-114と判定を下し、マジョリティー・ディシジョン(majority decision、MD)に持ち込まれたことで論議を巻き起こしていた。

 MDの結果、ロス氏は計6ラウンドでアルバレスに有利なスコアをつけており、第8ラウンドでアルバレスが優勢と判断したのは3人のジャッジのうちロス氏のみだった。

 さらにロス氏はメイウェザーに対して序盤のラウンドでは消極的な姿勢を理由に、終盤のラウンドではパンチ数が少ないという理由でペナルティーを科している。

 ロス氏以外のジャッジはそれぞれ117-111、116-112でメイウェザーに軍配を上げていた。

 こうした判定結果はメイウェザー陣営を怒らせ、ジャッジ歴22年のロス氏は批判の嵐にさらされた。

 64歳のロス氏が自身の判定によって窮地に立たされたのは今回が初めてではない。

 2012年の6月に行われたティモシー・ブラッドリー(Timothy Bradley、米国)とマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)のWBOウェルター級タイトルマッチでは、大方がフィリピンの英雄で王者パッキャオが勝ったと予想するなか、ロス氏を含む2人のジャッジがブラッドリー優勢の判定を下していた。

 記事によると、ロス氏のジャッジ資格は今年末で期限が切れるとしている。(c)AFP