【9月19日 AFP】16歳以下の少女を対象にしたミス・コンテストを禁止する法案が17日、フランス議会上院を通過した。違反した場合、コンテストの主催者に最高2年の禁錮刑と3万ユーロ(約400万円)の罰金を科す内容だ。

 この法案は男女の平等を定めた法律の修正案の一部で、美少女コンテストは少女の「性的特徴を過度に強調する」ものだとする議会報告書を受けて策定された。「行き過ぎた性別化に反対する:男女平等への新たな闘い」と題された議会報告書は、パッド付きブラジャーやヒールの高い靴といった大人顔負けのデザインの子供服の禁止や、16歳以下を対象とする美少女コンテストの廃止などを呼び掛けている。

 報告書を作成したシャンタル・ジュアノ(Chantal Jouanno)前スポーツ相は「フランスの少女たちが、幼いうちから『自分の価値は見た目だけで決まる』などと思い込んでしまわないようにしよう」と述べている。

 修正案は11月に下院で審議される予定だが、美少女コンテスト禁止法案については下院議員らから罰則が厳しすぎると指摘する声も出ており、下院での審議に含まれるかは不明という。

 美少女コンテストを問題視する動きの背景には、2010年12月に出版された米ファッション雑誌「ヴォーグ(Vogue)」に、ティラーヌ・ルブリ・ブロンドー(Thylane Loubry Blondeau)ちゃん(10)ら3人の少女が濃い化粧をして体の線を強調する衣装をまとい、ハイヒールに高級宝飾品を身に付けた写真が掲載されたことがある。

 世界的に物議を醸したこれらの写真についてヴォーグは、母親の服にあこがれる少女たちの幻想を描いたに過ぎないと釈明。ティラーヌちゃんの母親で女優・デザイナーのヴェロニカ・ルブリ(Veronika Loubry)さんは「裸になったわけではないのだから、大げさに騒ぎ立てないで」とブログに書き込み、大きな批判を招いた。(c)AFP