【9月13日 AFP】ドーピングにより自転車競技からの永久追放処分を受けたランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が12日、国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)の要請から約9か月を経て、2000年のシドニー五輪で獲得した銅メダルを米オリンピック委員会(US Olympic CommitteeUSOC)に返却したことを明かした。

 アームストロング氏は自身のツイッター(Twitter)のアカウントに「2000年の銅メダルは@usolympicsの下に戻り、すぐにスイスの@Olympicsへ送られる」と投稿し、メダルの写真を添付した。

 USOCの広報担当を務めるパトリック・サンダスキー(Patrick Sandusky)氏もツイッターで、委員会がメダルを預かっていることを認めている。

「シドニー五輪でランス・アームストロング氏に与えられた銅メダルを、米オリンピック委員会が受け取ったことを確認している」

「IOCとUSOCは以前からメダルの返却を求めていた。メダルをIOCに返すための手続きはすでに終わっている」

 IOCは10日、アルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)で行われた総会で、トーマス・バッハ(Thomas Bach)氏を新会長に選出した。IOCの司法委員会長だったバッハ氏は9日、アームストロング氏からのメダルの返却がまだであることを明かしている。

 IOCは今年1月、シドニー五輪の男子個人タイムトライアルで3位に入ったアームストロング氏に対して、メダルを返還するよう書面で要請していたが、国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)による制裁が確定するまでは、同氏の処分を待たなければならなかった。

 アームストロング氏に対しては、UCIがドーピングによる永久追放処分を科し、その後の2012年12月6日、スポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration for SportCAS)への不服申し立ての申請期間として、3週間の猶予を与えると同氏に通達していた。

 UCIは2012年10月、米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)から、アームストロング氏とそのチームメートによる大がかりなドーピングの証拠が提出されたことを受け、同氏にツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇のタイトル剥奪と自転車競技からの永久追放の処分を科している。(c)AFP