【9月4日 AFP】古代エジプトが一つの王朝として出現した時期について、これまでで最も詳細に推定したとする論文が4日の英学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society A)」に発表された。

 上エジプトと下エジプトが単独統治の下で王朝を築いた時期をめぐっては、数十年にわたって議論の的となってきた。これまでは古代エジプト人の埋葬地で見つかった陶器の形状の変移の様子などから、紀元前3400~2900年と推定されてきた。

 エジプト第1王朝の出現時期をより詳細に推定するため、英オックスフォード大学(Oxford University)のマイケル・ディー(Michael Dee)氏率いるチームは、埋葬地で見つかったり博物館に保管されていたりした毛髪や骨、植物のサンプル100点以上を対象に、放射性炭素年代測定を実施した。この測定結果と考古学的な証拠の双方から、エジプト第1王朝のファラオ、アハ(Aha)が即位した時期を68%の確率で紀元前3111~3045年の間と推定した。

 エジプト第1王朝は西半球初の安定した文明であり、その誕生は世界史の中で非常に重要な出来事とされている。

 ディー氏は「研究により、古代エジプトの最初の王たちの年表を書き換える新たな放射性炭素年代測定の結果が得られた。また、(国家としての)エジプトが通説よりもはるかに早く形成されたことも示唆された」と話している。(c)AFP