【8月29日 AFP】ブロッコリーを多く食べると変形性関節症の発症を防止したり、病状の進行を遅らせたりできるとの研究結果が28日、米国リウマチ学会が発行する「Arthritis and Rheumatism(関節炎とリウマチ)」に発表された。

 英イースト・アングリア大学(University of East Anglia)の研究チームは、ブロッコリーや芽キャベツ、キャベツなどに含まれるスルフォラファンという成分が関節軟骨の破損を遅らせることを発見した。研究チームはこれまで、軟骨細胞や軟骨組織、マウスなどを用いた試験を行ってきたが、今後、臨床試験の段階に進みたいとしている。

 英国では約850万人が、関節軟骨がすり減ってスムーズに動かなくなる変形性関節症を患っている。変形性関節症は肥満気味の人や過去に関節のけがを経験した人がかかりやすい。

 イースト・アングリア大学のイアン・クラーク(Ian Clark)教授(筋骨格生物学)は「研究結果は非常に期待できるものだ」と述べ、「変形性関節症の患者を治療するだけでなく、健康な人々に関節をどのように守るべきかを教えられるようにする必要がある」と述べた。

 関節炎や筋骨格疾患の研究を行う英アースリティス・リサーチ(Arthritis Research UK)のアラン・シルマン(Alan Silman)教授は、「これまでの研究では、食べ物や食習慣が変形性関節症の進行を遅らせる役割を果たすことは実証できていない」と述べ、今回の研究結果が臨床試験で再現できれば大きな前進だと話した。(c)AFP