【8月26日 AFP】台湾当局は25日、中国本土へと密輸される予定だった2500匹以上もの保護種のカメが、沿岸警備隊によって押収されたと発表した。これらのカメは富裕層向けの食材もしくは漢方薬の材料として利用される予定だったとみられ、台湾で発生した保護種のカメの密輸事件としては、これまでで最大規模だという。

 沿岸警備隊は24日、台湾南部・高雄(Kaohsiung)市の港に停泊していた船に、ミナミイシガメ1180匹、セマルハコガメ1446匹の計2626匹ものカメがコンテナに詰め込まれているのを発見し、チェン(Cheng)という名字の男を逮捕した。当局は密輸組織の黒幕の捜査に支障を来すとして、それ以上の情報の提供を拒否している。

 台湾の農務省にあたる行政院農業委員会(Council of Agriculture)の自然保護担当者は、中国本土ではこの種のカメがほとんど取り尽くされてしまったため、台湾や東南アジアのカメが標的となり始めたと説明する。中国本土では野生のカメの個体数が急減しているため、市場価格は台湾の5倍にまで急騰している。(c)AFP