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「イタリアの若い求職者はのんきすぎ」?高失業率のイタリアで議論

2013年9月1日 16:13 発信地:ローマ/イタリア

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「イタリアの若い求職者はのんきすぎ」?高失業率のイタリアで議論
若年層の失業や教育部門への予算削減に抗議するため、イタリア・ローマ(Roma)市内で行われた数千人規模の学生デモ(2011年10月7日撮影、資料写真)。(c)AFP/FILIPPO MONTEFORTE
【9月1日 AFP】若者が雇用市場でのんびり構え過ぎているというイタリアの会社経営者の発言をきっかけに、若者の失業率が記録的な高水準にありながら企業では何千人もの欠員が出ているという同国の現状について激しい議論が起きている。

 プラスチック製品メーカーを経営するジョバンニ・パゴット(Giovanni Pagotto)氏は、採用が移民ばかりになっている現状を明らかにした上で、振り出しが一介の工場労働者だった自身と比べ、求人に応募してくるイタリア人の若者が今ひとつ「ハングリー」ではないとコメント。ベネチア(Venice)近郊出身の同氏は、応募者から運転免許試験を受けるので入社を3か月延期してほしいと要請されたことや、心の支えを得たいとして母親同伴で面接に来た応募者がいたことを明らかにした。

 パゴット氏の発言は、労働組合の指導者から就職活動がうまくいかないという若者まで多くの人たちから反発を受けた。ただ一部の専門家は、核心を突いた発言かも知れないと指摘している。

 イタリアの失業率は全体で12%をやや上回る程度だが、学生を除く15歳から24歳までの若年層では39.1%と大幅に高い。その一方、ピザ調理師やエンジニア、職人や営業要員といった一部の職種では、求人応募者が十分集まらず欠員を補充できない、と不満の声が上がっている。

■雇用危機を隠すためのプロパガンダ?

 社会経済分野のシンクタンク、ノルド・エスト基金(Nord Est Foundation)のダニエレ・マリーニ(Daniele Marini)ディレクターは、「若い世代が将来の仕事について極度に高望みしているのは事実だ」と言う一方で一般化するべきではないと述べ、企業は見習いや職業訓練の機会を十分に提供していないし、教育制度も若者に就職の準備をさせることに失敗していると指摘した。

 イタリア商工会議所連合会(Unioncamere)の調査によると、同国ではエコノミストや経営者、エンジニア、数学者、営業要員が不足しており、これらの職種では欠員の12%が補充されておらず、飲食業や清掃業も人手不足だとしている。

 また、イタリアの労働コンサルタント全国協議会の報告書は、洋服仕立業や製パン業、建設業などで、15万人分の雇用が「イタリア人に敬遠されている」と指摘している。

 今年は飲食業協会も、ピザの本場であるイタリアで、ピザ調理師6000人余りが不足していると、その苦境を明らかにしている。全国紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)のコラムニスト、ダリオ・ディ・ビコ(Dario Di Vico)氏は、この数値が「雇用の需給不一致を原因とした真の矛盾」を浮き彫りにしていると述べた。

 ただこうした報告書について、日刊紙イル・ファット・クオティディアーノ(Il Fatto Quotidiano)のサイトやオンライン新聞のリンキエスタ(Linkiesta)に執筆しているブロガーらは、解決策を見いだせない政界の一部が画策した、「雇用危機など存在しない」と思わせるためのプロパガンダの類いだという見解を示している。(c)AFP/Dario THUBURN
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