【8月25日 AFP】中国東部・江蘇(Jiangsu)省大豊(Dafeng)市で、中国の伝統的な薬の原料としてゴキブリを養殖していた施設から、少なくとも100万匹が逃げ出した。地元紙「現代快報(Modern Express)」が23日、伝えた。

 養殖施設はトウモロコシ畑に囲まれたプラスチック製の温室で、今月初めに何者かによって破壊された。疾病管理当局は調査員5人を現地に派遣しており、駆除計画を策定する方針だ。

 養殖施設の所有者である王朋生(Wang Pengsheng)さんは、事業を半年間検討した後、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)の卵102キロ相当を10万元(約160万円)で買い付けた。一般的に害虫とみなされているゴキブリだが、絶滅危惧種を含めた動植物を原料とする中国の伝統的な薬の信奉者たちは、その抽出物がガンや抗炎症、免疫力向上に有効と信じている。

 同紙が王さんの発言として伝えたところによると、破壊されるまで養殖施設では150万匹以上が卵からかえり、果物やビスケットなどの餌を毎日与えられていた。王さんはゴキブリ1キロ当たり1000元(約1万6000円)前後の利益を見込んでいたものの、現在は数十万元規模の損失に直面しているという。(c)AFP