【8月24日 AFP】米首都ワシントン(Washington D.C.)のスミソニアン国立動物園(Smithsonian National Zoo)で23日、ジャイアントパンダのメイシャン(美香、Mei Xiang)が赤ちゃんを出産した。メイシャンはこれまで、偽妊娠が続いたり、出産した赤ちゃんが数日後に急死したりしており、今後の赤ちゃんの成長に期待が高まっている。  出産の様子は「パンダカム(PandaCam)」と呼ばれる2台のウェブカメラで撮影され、インターネット中継された。同動物園は出産後、マイクロブログのツイッター(Twitter)に「赤ちゃん誕生!」と投稿。メイシャンは出産後すぐに赤ちゃんを抱き上げ、世話を始めた。  デニス・ケリー(Dennis Kelly)園長は、「新たに設置したパンダカムにくぎ付けです。元気そうな赤ちゃんの鳴き声が聞こえ、感激しています」と述べた。赤ちゃんの性別は、まだ分かっていない。  雄のティアンティアン(甜甜、Tian Tian)と共に中国から米国に貸与されているメイシャンにとっては、今回が3度目の出産。  しかし、父親がティアンティアンなのかは、現在のところ不明だ。  年に一度の繁殖期を迎えた昨冬には、2頭の自然交配が試みられたが、専門家らは妊娠の可能性はなさそうだと判断。その後、ティアンティアンから採取した精子と、サンディエゴ動物園(San Diego Zoo)で飼育されるガオガオ(高高、Gao Gao)の精子を使い、人工授精を行っていた。関係者によると、2頭のパンダの精子を使った人工授精は、同園では初の試みだった。  赤ちゃんパンダの父親は、DNA鑑定によって早ければ一両日中にも判明するという。  メイシャンは昨年にも出産したが、赤ちゃんは肝臓と肺の疾患が原因で誕生から6日後に死んだ。また、メイシャンは2007年から5年連続で偽妊娠していた。  メイシャンとティアンティアンの間には、2005年に生まれた雄のタイシャン(泰山、Tai Shan)がいるが、現在は中国の碧峰峡パンダ保護研究基地(Bifengxia Base of China Conservation and Research Centre)で飼育されている。スミソニアン動物園で誕生し、成体にまで成長したパンダはタイシャン1頭のみ。(c)AFP/Kerry SHERIDAN