【8月16日 AFP】タイ北部の村で13日、インターネット検索最大手グーグル(Google)が提供するサービス「ストリートビュー(Street View)」の撮影スタッフが「政府のスパイ」と勘違いされ、尋問されるという騒動が起きた──。翌日、村の住民らは勘違いしたことを認め、謝罪している。

 タイ人の撮影スタッフは13日、屋根にカメラを載せ、グーグルのロゴが付いた車両を運転していたところ、この村の住民らに停車させられた。住民らは、地元で反対され議論の渦中にあるダム建設のためのスパイを送り込んだものと勘違いしたという。取り囲まれたグーグルのスタッフは詰問された後、地元の寺に閉じ込められ、政府のために働いているのではないと仏像の前で誓わされた。敬虔な村人たちは、もし仏像の前で嘘をついたならば1週間以内に凶運に襲われるだろうと話していたという。

 住民らは14日、ダム建設に反対するために開設したフェイスブック(Facebook)のページで、「彼がダム建設の調査のためにやって来たものと勘違いしてしまった。グーグルに謝罪する」との声明を出した。

 グーグルの広報担当は、この一件について把握しているとし、「時に予期しない問題に遭遇するが、ストリートビューも例外ではない」と述べ、またグーグルがタイの法律を遵守し、公有地から撮影した風景のみを集め公開していることを強調した。

 2007年に公開が始まったストリートビューは、世界中の都市や田舎町で、道路上から撮影したパノラマ写真を提供している。(c)AFP