【8月16日 AFP】2012年夏のロンドン五輪開会式で、映画『007』シリーズのジェームズ・ボンド(James Bond)に扮し、ヘリコプターからパラシュートで飛び降りたスタントマンのマーク・サットン(Mark Sutton)さん(42)が14日、スイスで行われていたスカイダイビング大会中の事故で死亡した。

 スイスの地元警察当局は15日、フランス国境に近い南部バレー(Valais)のアルプス(Alpine)山中で岩に衝突して死亡した男性がサットンさんであることを確認したと発表した。サットンさんは、特別なスーツを着用して高所から飛び降りるウイングスーツフライングの大会に参加していた。

 英陸軍に所属していたこともあるサットンさんは、2012年7月に行われたロンドン五輪の開幕式で、エリザベス英女王(Queen Elizabeth II)役のスタントマンとともにヘリコプターから飛び降り、開会式の最も印象的な場面を演出した。

 地元の警察当局はAFPの取材に対し、正確な事故原因については現在調べている最中としたうえで、飛行軌道が低すぎたために事故につながったと考えられると述べた。サットンさんは時速200~250キロのスピードで岩に激突、即死したとみられている。

 サットンさんの死亡事故の報道に、衝撃がエクストリームスポーツ界を超えて広がっている。

 ロンドン五輪開会式の演出を担当した英映画監督、ダニー・ボイル(Danny Boyle)氏は、「世界のトップダイバーかつスタントマンだった彼の死は大きな損失」とのコメントを発表した。

 ロンドン五輪開会式でエリザベス女王役としてともにヘリコプターから飛び降りたギャリー・コネリー(Gary Connery)さんも、英大衆紙サン(The Sun)に「いい性格の持ち主だった。賢く、言動も明確で楽しい良き友人」と悲しみのコメントを寄せた。(c)AFP/Jonathan FOWLER