【8月15日 AFP】ダイエット系炭酸飲料の売り上げが落ちている米飲料大手コカ・コーラ(Coca-Cola)は14日、人工甘味料アスパルテームを使った糖分ゼロの同社製品は安全だとアピールする広告キャンペーンを全米で開始した。

 主要各紙に掲載された広告は、楽しそうに笑っている2人の女性のうち1人が「ダイエットコーク(Diet Coke)」のボトルを手にする写真に、「質の高い商品にいつも上機嫌」というキャッチコピーが添えられている。さらその下には「アスパルテームの安全性は、この40年間に200件以上の研究で裏付けられています」と記されている。

 この広告を14日に掲載した米紙USAトゥデー(USA Today)によると、このコカ・コーラの広告キャンペーンと連動する記事が15日にアトランタ・ジャーナル・コンスティテューション(Atlanta Journal Constitution)に、また来週にはシカゴ・トリビューン(Chicago Tribune)に掲載される。

 甘味飲料に含まれる糖分が、米国でまん延する肥満をあおっているとの指摘もある中、同国では炭酸飲料の売り上げが減少している。業界紙「ビバレッジ・ダイジェスト(Beverage Digest)」によれば、2012年のダイエットコークの売り上げは前年比3%減、コカ・コーラは同1%減、競合するペプシ(Pepsi)は同3.4%減、ダイエットペプシ(Diet Pepsi)が同6.2%減と、中でもダイエット製品のほうが減少幅が大きい。

 1980年代に認可されたアスパルテームについてはいまだ長期的な安全性が確認されていないと、米ブルックリン病院(Brooklyn Hospital Center)のカレン・コングロ(Karen Congro)氏(栄養学)は指摘する。ダイエット系炭酸飲料だけでなく、人工甘味料や人工成分を使ったあらゆる製品に対し反発が高まりつつあるという。

 コングロ氏によると、ダイエットをしている人が人工甘味料を摂取すると、さらにカロリーを摂取したくなることが示されている。同氏は「人工甘味料への依存が、おそらく甘さや糖分への欲求を引き起こし、それが結果的に肥満や偏った食事につながる。ダイエット系炭酸飲料に入っている人工甘味料に脳が反応してインスリンが分泌され、それが空腹感を高め、特に甘いものへの欲求を高める可能性はある」と述べている。(c)AFP