【8月12日 AFP】中国北部の陝西(Shaanxi)省で分べんを担当した医師に盗まれ、売られたとみられる双子の女児が警察当局により保護された。国営メディアが9日、報じた。  

 前週、女性医師の張淑侠(Zhang Shuxia)容疑者により売られたとされる男の赤ちゃんが両親のもとに無事に戻ったことが報道されたが、この双子の赤ちゃんも同容疑者により売られていたとみられている。  

 双子の赤ちゃんは陝西省で7月に生まれた。中央人民放送(China National Radio)によると、張容疑者は分べん室で母親に対し、双子の赤ちゃんには「致死性の先天性疾患」があると告げ、赤ちゃんを手放すよう母親を説得した。さらに赤ちゃんに会おうとする他の親族らに対しても、両腕と両脚が「損傷している」として阻止したという。  

 先週報じられた男の赤ちゃんの人身売買事件でも、今回と同様の詳細が語られていた。警察当局によると、男児は人身売買業者によって、3人の娘がいる河南(Henan)省の農家に6万元(約95万円)で売られていた。  

 事件は、男児の家族が不審に思って警察当局に被害届を出したことで発覚した。これまでに医師と容疑者2人が拘束されている。男児が家族のもとに戻ったことが大々的に報じられると、同様の経験のある多数の親が名乗りを上げた。  

 中国共産党機関紙の人民日報(People's Daily)によると、双子の赤ちゃんの1人は、出生地の富平(Fuping)から500キロメートル以上離れた山東省(Shandong)で発見され、もう1人は160キロ離れた山西(Shanxi)省で見つかった。  

 国営の新華社(Xinhua)通信によると、富平ではこれまで、地区の保健当局主任や、赤ちゃんの生まれた病院の院長など、当局者ら5人が解雇されている。警察当局は8日までに55件の被害届を受理しており、そのうちの26件に張容疑者が関与しているとみている。(c)AFP