【8月9日 AFP】自分が疲れている時、隣の愛犬が「もらいあくび」をしたと思うのは、間違っていないかもしれない──。犬は人間の疲労を感じ取ることができ、人間に続いて大きなあくびをするという東京大学(Tokyo University)と京都大学(Kyoto University)の共同研究チームによる研究結果が、8日の米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)で発表された。この「伝染性のあくび」は、人への共感を示す行動の可能性があるという。

 見知らぬ人のあくびよりも、飼い主のあくびの方が犬にうつりやすいといい、研究を率いた東京大学のテレサ・ロメロ(Teresa Romero)特任研究員は、飼い犬にみられる「伝染性のあくび」は、人間同士の場合と同様、感情的なつながりが影響しているようだと話している。

 研究では、25匹の犬に飼い主と知らない人のあくびを見せ、どのような反応を示すか観察した。また、それらの人々に別の表情をしてもらい、犬がその違いを認識できるかどうかについても調べた。

 その結果、犬にあくびが伝染する頻度は、あくび動作を見せた時の方が、その他の口の動きを見せた時よりも非常に高かった。また、知らない人よりも知っている人のあくびの方がうつりやすいことがわかったという。

 論文によると、「伝染性のあくび」はチンパンジーなどの霊長類にもみられ、人間の場合は、共感の感情をつかさどる脳の部位の活動と関係があるという。(c)AFP