【7月27日 AFP】ニュージーランドに6年前に移住した南アフリカ出身の男性が、入国以来30キロも減量したにもかかわらず、太りすぎを理由に就労ビザの更新申請を却下されていたことが分かった。同国紙「プレス(The Press)」が27日に伝えた。

 現在、体重130キロのアルバート・ブテンハウス(Albert Buitenhuis)さんと妻のマーシー(Marthie Buitenhuis)さんは、夫の就労ビザが更新できなければ国外退去処分となる。

 夫妻が南アからニュージーランド南島の主要都市、クライストチャーチ(Christchurch)に移住した当時、アルバートさんの体重は160キロだった。しかし妻によると、「夫は以前の方がずっと太っていたが、これまで就労ビザの更新に問題はなく、夫の体重や健康状態について何も言われたことはなかった」という。

 ニュージーランド移民局(Immigration New ZealandINZ)の広報担当者はビザ更新を認めなかった理由について、「肥満によって糖尿病や高血圧、心臓病、閉塞性睡眠時無呼吸などの合併症を起こす『多大な危険性』があるため」と指摘。「ニュージーランドの医療サービスにかかるコストと同サービスの需要を最低限に抑制するため、全ての移住者が受け入れ可能な健康水準を維持していることが重要だ」と説明した。

 最近の経済協力開発機構(OECD)の報告では、 ニュージーランドは先進国の中で、米国とメキシコに次いで最も肥満の割合が高い国とされている。(c)AFP