【7月27日 AFP】陸上、ダイヤモンドリーグ2013(IAAF Diamond League 2013)第11戦ロンドン大会(Sainsbury’s Anniversary Games)は26日に行われ、男子100メートルでジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)が9秒85で優勝した。

 世界記録保持者で通算6度の五輪金メダル獲得を誇るボルトは、このレースで豪快かつ美しい走りを見せ、来月開幕する第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)に向けて順調にコンディションを整えた。

 ロンドン五輪から1周年のこの記念大会で、ボルトは自身が3つの金メダルに輝いたオリンピックスタジアム(Olympic Stadium)に舞い戻ってきた。

 前日には、陸上界を揺るがした、ライバルのタイソン・ゲイ(Tyson Gay、米国)とアサファ・パウエル(Asafa Powell、ジャマイカ)のドーピング疑惑について落胆したと心境を露わにしていたボルトだが、当日レース前には会場にロケットを模した自動車に乗って現れ、歓声が沸き起こる中、スタジアムの中をパレードした。

 ロンドン五輪では世界中で10億人がテレビでボルトのレースを観ていたという。今回の観戦者数はその何分の1にしか満たなかったが、それでもスタジアム内は特別な雰囲気で包まれていた。

 ボルトはスタートでこそ出遅れたものの、ライバルを寄せ付けることなく好タイムを叩き出して圧勝。レース後にはスタジアムに詰めかけた6万人の観客の前でウイニングランを行った。

 6月6日にイタリア・ローマ(Rome)行われた第5戦のゴールデンガラ(Golden Gala Roma)の男子100メートルでジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin、米国)に敗れたボルトは、勝利という使命を背負ってレースに臨んだ。そして今大会ではファンを失望させはしなかった。

 2位には米国のマイケル・ロジャース(Michael Rodgers)が9秒98で、3位にはジャマイカのネスタ・カーター(Nesta Carter)が9秒99で入った。

「ロンドンに来るのが好きだ。ここではファンがたくさんのエネルギーをくれるから、速く走ることができる」とボルトはコメントした。

「今夜はいい調子だった。スタートで遅れを取り、追い上げなければいけなかったが、最終的にはタイムに満足している。改善点はたくさんあるが、目的に向かって着々と進んでいる。モスクワは素晴らしい大会になるだろう」

(c)AFP/Gary FITZGERALD