【7月25日 AFP】英中央銀行のイングランド銀行(Bank of England)は24日、新10ポンド紙幣の図柄に19世紀の英女性作家ジェーン・オースティン(Jane Austen)の肖像を採用すると発表した。現在の英自然科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)が描かれた10ポンド紙幣に代わり、2017年から流通する。

 これに先立ってイングランド銀行は4月、5ポンド紙幣のデザインを2016年以降、現在の19世紀の女性社会改革家エリザベス・フライ(Elizabeth Fry)から第2次世界大戦中の英首相ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)に代えると発表していた。これに伴い、英国の紙幣に描かれる女性はエリザベス女王(Queen Elizabeth II)のみとなることから、女性権利活動家らが紙幣への女性の肖像画採用を求めて署名運動を展開。3万5000人分の署名を集めていた。

 女性権利活動家らは、イングランド銀行の決定を「女性にとって、また市民の力を示す意味でも、素晴らしい日となった」と喜びを示している。

 1775年にイングランドに生まれたオースティンは、ユーモアあふれる描写で貴族社会を風刺するとともに、当時の女性たちが抱えていた葛藤を描き出す作風で知られる。代表作には「高慢と偏見(Pride and Prejudice)」「エマ(Emma)」「説きふせられて(Persuasion)」「分別と多感(Sense and Sensibility)」などがある。(c)AFP