【7月23日 AFP】イラクの刑務所2か所で21日に起きた襲撃事件について、国際組織アルカイダ(Al-Qaeda)のフロント組織「イラクとレバント地方のイスラム国家(Islamic State in Iraq and the Levant)」が23日、犯行声明を発表した。

 襲撃を受けた首都バグダッド(Baghdad)近郊タージ(Taji)とアブグレイブ(Abu Ghraib)の刑務所からは、アルカイダ系戦闘員の幹部を含む数百人が脱獄したとみられている。同組織は声明で、「脱獄した数百人の受刑者のうち500人が戦闘員」と述べている。

 2012年7月、イスラム武装組織「イラク聖戦アルカイダ組織(Al-Qaeda in Iraq)」の指導者アブ・バクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)氏が、イスラム教徒の受刑者解放とイラクの司法官に対する攻撃を動画メッセージで予告していたが、声明では今回の襲撃で一連の作戦は終了したとしている。

 イラク治安当局の高官によると、第一報では襲撃が始まったのは21日夜で、受刑者たちが武器を奪取した後、刑務所外で待っていた武装集団と接触。その後、施設の外にいた武装集団が迫撃砲や爆弾、銃などで攻撃を開始したという。治安部隊との衝突は10時間以上続き、少なくとも治安部隊隊員20人と受刑者21人が死亡した。イラク軍警察は、少なくとも受刑者500人が逃走したとしている。(c)AFP