【7月10日 AFP】ロシア政府は9日、バレエ団の芸術監督襲撃事件などの不祥事が相次いでいるボリショイ劇場(Bolshoi Theatre)のアナトリー・イクサノフ(Anatoly Iksanov)総支配人(61)を解任した。

 同劇場の総支配人を13年間務めたイクサノフ氏の解任は、内部分裂や対立、不祥事が近年相次ぐ同劇場を立て直すロシア政府の姿勢を示すものとみられる。

 ウラジーミル・メジンスキー(Vladimir Medinsky)文化相は記者会見し、「劇場が刷新を必要としているのは疑いがない」と述べた。

 文化相によると、イクサノフ氏の後任には、モスクワ(Moscow)のスタニスラフスキー・ダンチェンコ劇場(Stanislavsky and Nemirovich-Danchenko Theatre)のウラジーミル・ウリン(Vladimir Urin)総支配人(66)が就任した。ウリン氏は「ボリショイ劇場を結束させられるだろう」と文化相は述べている。

 ウリン氏は「革命を起こす気はない」と述べ、ボリショイ劇場の大規模な改革が行われるのではないかという懸念の払拭(ふっしょく)に努めている。また、18年間にわたって総支配人を務めてきたスタニスラフスキー・ダンチェンコ劇場を去るのは難しい決断だったとも述べた。

 ボリショイ劇場をめぐっては、バレエ団のセルゲイ・フィーリン(Sergei Filin)芸術監督が顔に酸性の液体をかけられた事件で、同バレエ団のソリスト、パーベル・ドミトリチェンコ(Pavel Dmitrichenko)容疑者が逮捕されるなど、不祥事が続いている。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO