【7月4日 AFP】英国の都市ブラッドフォード(Bradford)で行った研究の結果、いとこ同士で結婚した場合、子どもの遺伝子に異常が生じるリスクは通常の2倍になるとする報告が4日、英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」(オンライン版)に発表された。

 ブラッドフォードは南アジアからの移民とその子孫が人口に占める割合が高く、血縁にあるカップルのリスクを調査するための「縮図」として研究された。同市でいとこ同士の結婚は、英国人同士では1%に満たなかったが、パキスタン系住民同士では約37%を占めた。

 リーズ大学(University of Leeds)のイーモン・シェリダン(Eamonn Sheridan)氏率いる研究チームは、2007~2011年の間に市内の主な病院で生まれた子ども1万3500人の健康状態を追跡した研究を精査した。このうち家系が詳しく分かっている子ども1万1396人の中で18%が、いとこ同士の夫婦の子どもで、大半がパキスタン系の血縁だった。

 一方、神経系や呼吸系、消化系、さらに尿路や生殖器、口蓋裂などの問題や異常のあった子どもは386人で、その割合は英国全体の平均の2倍近かった。

 研究は「パキスタン系のカップルの子どもの全異常のうち31%が血縁関係」、またはいとこ同士の結婚のためだと指摘している。また同論文によると、血縁関係同士の結婚が当たり前とされる社会に住む人は世界で10億人以上に上るという。(c)AFP