【7月4日 AFP】エジプト軍トップのアブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah Said al-Sisi)軍最高評議会議長兼国防相は3日夜(日本時間4日未明)、国営テレビでの声明で、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領を政権から排除すると発表した。同国ではここ1週間にわたり、イスラム主義組織出身の同大統領の退陣を求める数百万人がデモを行い、50人近くが死亡している。

 シシ氏はまた、イスラム主義勢力の起草した憲法を凍結し、大統領選挙を速やかに実施するとも発表。暫定大統領として、アドリ・マンスール(Adly al-Mansour)最高憲法裁判所長官を指名した。

 首都カイロ(Cairo)では、テレビ声明の後、すぐに数千人の人々が街頭に集まり、歓声や爆竹、車のクラクションなどで盛大にモルシ大統領の退陣を祝った。

 一方の大統領府は、これらの動きを「違法」であるとして拒否。軍の介入を「クーデター」と呼び、国民に対して平和的に抵抗するよう呼びかけた。

 シシ国防相の国営テレビでの発表には、反大統領派連合の代表モハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)氏、コプト教会(Coptic Church)の指導者らや、スンニ派イスラム教の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)の幹部らが同席した。(c)AFP/David VUJANOVIC