【7月2日 AFP】米当局による市民監視プログラムの存在を暴露した米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)は6月30日夜、ロシアに亡命を申請した。一方ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は1日、スノーデン元職員が米国の情報報告の漏えいをやめるならロシアにとどまっても構わないという考えを示した。

 ロシア外務省当局者がAFPに明らかにしたところによると、スノーデン元職員はモスクワのシェレメチェボ(Sheremetyevo)国際空港内の領事部の事務所で政治亡命を申請したという。スノーデン元職員は法律上身動きがとれず、同空港の乗り継ぎ区域に1週間以上滞在しているとみられている。

 領事部の職員はAFPに対し、「6月30日午後10時半(日本時間7月1日午前3時半)、英国市民のサラ・ハリソン(Sarah Harrison )氏がシェレメチェボ空港の領事部を訪れ、スノーデン元職員の亡命申請書を提出した」と話した。ハリソン氏は内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の職員で、スノーデン元職員が6月23日に、問題となった暴露を行った香港(Hong Kong)からシェレメチェボ空港に移動した際にも同行した。

 一方、プーチン大統領は1日の記者会見で、スノーデン元職員の今後について報道陣から質問が相次ぐと、「ロシアは誰かをどこかへ引き渡すようなことはしておらず、そうする意図もない」と述べ、「もし(スノーデン元職員が)ここにとどまりたいのなら、1つ条件がある。われわれの米国のパートナーに損害を与えることを企図した活動をやめるべきだ。私がこんなことを言うと奇妙に聞こえるかもしれないが」と語った。(c)AFP/Maria ANTONOVA