【7月1日 AFP】台湾最大の暴力団「竹連幇(Bamboo Union、ちくれんほう)」の幹部で、17年間にわたって中国に逃亡していた台湾の最重要指名手配犯、張安楽(Chang An-lo)容疑者(65)が6月29日、17年ぶりに台北(Taipei)に戻り、台北松山空港(Taipei Songshan Airport)に到着したところを刑事警察局と空港警察に逮捕された。

「白狼」の別名で知られる張容疑者は、脅迫や恐喝、密輸、マネーロンダリング(資金洗浄)などの組織犯罪に関与した疑いで指名手配されていた。台湾警察の声明によると、同容疑者は自ら出頭するために台湾に戻ったという。

 台湾メディアによれば、中国生まれの張容疑者は、1949年に中国共産党が建国を宣言した後、家族とともに台湾に移住。10代のうちに竹連幇に入り、組織のトップに上り詰めた。

 張容疑者は米国で1985年に麻薬密輸で有罪判決を受け、10年間の服役を終えて台湾に強制送還された。その後、恐喝その他の罪に問われ、1996年に台北から中国本土に渡って事業を行っていたとされる。また、台湾と中国の平和的な統一を提唱する団体を設立したとも伝えられている。

 台湾の中央通信社(Central News Agency)によると、張容疑者は中国・上海(Shanghai)で、自らの政治理念を広く訴えるため台湾に戻るつもりだと語っていた。(c)AFP