【6月25日 AFP】英国で当時15歳だった教え子の少女とフランスに駆け落ちし、1週間にわたって逃亡した末に逮捕された既婚の男性教師に対し、英裁判所は21日、児童との性行為の罪などで5年6月の禁錮刑を言い渡した。

 数学教師のジェレミー・フォレスト(Jeremy Forrest)被告(30)は、20日に少女を誘拐した罪で有罪判決を受け、翌21日には児童と性行為に及んだ罪5件について有罪を認めた。未成年誘拐の罪で禁錮1年、児童との性行為の罪では禁錮4年6月が言い渡された。

 イングランド南東部、ルイス刑事法院(Lewes Crown Court)のマイケル・ローソン(Michael Lawson)裁判官は、被告の行為は多くの人々に大きな被害をもたらしたと指摘。「生徒の恋心をさらに焚き付けるのではなく、制止するのが教師としての義務だ」と述べた。

 検察側は、被告はいたいけな少女を誘惑した小児性愛者で、教師としての被告に少女が置いていた信頼を著しく悪用したと主張していた。被告が少女に最初にキスをしたとき、少女はまだ14歳だった。

■少女は「出所を待つ」と誓う

 フォレスト被告は20日の有罪判決後、法廷から退出させられる際に、少女に対し「愛している」と言葉をかけた。少女は泣き出し、被告に「ごめんなさい」と言った。

 21日の英メディア報道によると、現在16歳になった少女は、フォレスト被告と再び交際を始めるため、被告の出所を待つと誓っているという。少女は法律上の理由から氏名を伏せられている。

■結婚生活の愚痴から逃避行まで

 今回の裁判によると、趣味のミュージシャンでもある被告はマイクロブログのツイッター(Twitter)を使ったメールで、結婚生活がうまくいっていないことや自分の不安な気持ちを少女に打ち明けた。

 2人は携帯電話で互いの性的な画像を交換するようになり、じきにフォレスト被告の車の中や、妻が実家へ戻って留守中の被告宅、ホテルなどで性的関係を持つようになった。少女は自分から進んで関係を持ったと証言している。

 2人が携帯メールをやりとりしているとの情報を生徒の1人から受けた警察は、昨年9月に少女の家を訪問。その翌日、2人はフランスへ駆け落ちした。少女は、被告の妻の旅券を使用していた。

 少女は、2人の関係が発覚しそうになったため、自分の意思で駆け落ちしたと述べている。またフォレスト被告が自分を連れ出したのは、自分が自殺する可能性を被告が心配したからだとも語っていた。しかし、英国の法律で定められた性的同意年齢の16歳に、少女は達していなかった。

 英国当局は各国警察に警戒を要請。逃避行の1週間のうちに2人は髪を染め、偽りの履歴書を用意し、フォレスト被告は仏南部ボルドー(Bordeaux)市でバーテンダーの仕事に就こうとしていた。しかし、ある英国風パブのオーナーが、報道から2人に気付いて警察に通報し、フォレスト被告の逮捕に至った。(c)AFP/Guy JACKSON