【6月27日 marie claire style】ポロシャツといえば、1930年代に創立された老舗「ラコステ(LACOSTE)」のワニ、40年代に生まれた「ロンシャン(LONGCHAMP)」の馬のロゴマークがすぐに頭に浮かぶが、時代の流れに敏感な人なら、おそらく現代はそこに「メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ)」の狐を加えるかもしれない。ファッションに敏感な男性の間では、このところなくてはならないアイテムになっているからだ。

 2月からは南青山に、ショップとカフェ併設ショップが、2か所に同時オープンして、いよいよ“キツネ”の旋風が本格的になりそうだ。

 2002年にパリで生まれた「メゾン キツネ」は、ジルダ・ロアエック(Gildas Loaéc)と黒木理也(Masaya Kuroki)という音楽やモードの好きなふたりによって、アートとモードの垣根を取り払い、感性豊かな人たちを対象に、ニュークラシカルなスタイルでデビューした。過激なデザインを嫌い、品質やディテールにスタイリッシュなこだわりをみせ、洗練された個性を生み出すことに成功しているし、ウィメンズも、シンプルなデザインの中に、ソフィスティケートされた感性が秘められている。

 21世紀に誕生した“キツネ”は、音楽だけでなく、アートやクラブやあらゆるカルチャー活動をするクリエイティブ集団の中から、自然発生して生まれたライフスタイルブランドなのだが、老舗のブランドも彼らの活動に敏感な反応を示している。つい最近もアウトドア・ブランド「エーグル(AIGLE)」とのコラボで、音楽フェスティバルに行くためのレインブーツとポンチョを出している。いかにも新世代の旗手らしく、ふたりのデザイナーたちは従来のクリエーターたちとは異なり、寡黙だし、風のように都市から都市を旅していて、なかなかマスコミには登場しない。それでも1年前からはNY進出を果たし、伊勢丹新宿店では、人気のハイパーブランドの「サカイ(sacai)」や「マルニ(MARNI)」と並んで、限定ショップも作られている。パリ発だが、静かな前進の中で、ワールドマーケットからも注目されているのだ。

 最近ふたりは、老舗人気メゾン「プチ バトー(PETIT BATEAU)」のアーティスティックディレクターに就任したので、いつまでも風のような存在でいられるかどうかは疑問だ。

 だが、マルチ・カルチャーの時代に、新たな扉からファッション界に入ってきたデザイナーとして、一目置きたい存在といえる。南青山の「カフェ キツネ(CAFÉ KITSUNÉ)」で、日本に2台しかないというアメリカSLAYER社の本格エスプレッソ・マシンを使ったコーヒーの味もお勧めしたい。
(インタビュー・文 村上香住子)
(c)marie claire style

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