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皆がするなら私も、称賛を沸き起こすのは「仲間の圧力」

2013年6月20日 8:27 発信地:パリ/フランス

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皆がするなら私も、称賛を沸き起こすのは「仲間の圧力」
米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)で行われた映画の上映会で拍手する観客(2013年6月17日撮影、本文とは関係ありません)。(c)AFP/Getty Images for The Weinstein Company/Michael Buckner
【6月20日 AFP】ひそかに「くだらない」と思いながら見ていた芝居が終わった時、他の皆がアンコールを求めてもあなたはじっと黙っている?──恐らく、それはないだろう。

 19日付けの英国王立協会(British Royal Society)の学術誌「Journal of the Royal Society Interface」に、それを示す調査結果が発表された。

 心理学実験と数学的な解析の双方を使い、漠然とした「個人の行動がいかに集団力学(グループダイナミックス)の影響を受けるか」という「社会的感染」の考え方を数値化する科学的な試みが行われた。

 スウェーデン・ウプサラ大学(Uppsala University)の数学者、リチャード・マン(Richard Mann)博士と研究チームはまず、パワーポイント(PowerPoint)を使った7分間の生物学的研究に関する発表を聴く大学生たちの様子を録画した。この時、「拍手」に関する分析が行われていることは発表者にも、観客の大学生たちにも知らせなかった。

■周りに合わせて拍手

 マン氏とチームはその後、拍手を数学的にモデル化。すると結果は、知られていなかった秘密を明らかにするものだった。

 AFPの質問に電子メールで回答したマン氏は、「観客たちは自分で判断せず、周りの人たちからの社会的プレッシャーに対する、まさに予想した通りの反応を示した。学生たちは部屋の中で聞こえる拍手の音量を通じて、そのプレッシャーを感じ取っていたと考えられる」と説明した。

「統計を見ると、拍手する人が増えるにつれて、拍手していなかった人たちは『加わらなければ』と感じ始めるのだということが分かる。同様に、拍手をやめる人が出始めれば、他のすべての人たちには『やめなければ』というプレッシャーがかかり、それが強くなっていく」

 調査結果からは、こうした集団行動にはパターンがあることが分かるという。さらにこの結果には、さまざまな活用方法がある。

「インフルエンザがどのように流行するかを毎年予測するように、社会不安や新たな流行がどのように広まっていくかを予測するが可能だ」という。「例えば、短時間で一気に大量の飲酒をするという新たな傾向について、この行動の広まりを予測することができれば、取り締まりや医療体制について事前に準備を整えることができる」

 こうした予測により、今後ソーシャルネットワークやオンライングループがどの程度の速度で時代遅れになっていくかを予測することもできるかもしれない。

 マン博士は、「人間は動物と同じように、非常に単純に、身近にある合図に従ってしまう」と指摘する。「行動はグループ全体に、社会的プレッシャーを通じて広がっていくのだ」という。(c)AFP
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