【6月18日AFP】空間内に分散配置したマイクとコンピューターアルゴリズムがあれば、あとは指を「パチン」と鳴らすだけで空間の正確な3Dマップが作成できる――このような研究結果をスイスと米国の共同研究チームが17日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表した。

 研究では、音の反射を利用して空間内の距離を測定し、大学の講義室と大聖堂の小部屋の3Dマップを作成した。

 研究の主著者、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(Ecole Polytechnique Federale de LausanneEPFL)・博士課程在籍のIvan Dokmanic氏は、「我々が開発したソフトウエアを使えば、数ミリメートル単位の正確さで単純な凸状の空間の3Dマップの作成が可能だ」と説明する。アルゴリズムは発せられた音と反射音の間の時間のずれを使って、マイク、壁、発信源からの距離を計算し、空間のデジタル化された3Dマップを作成する。

 研究チームは、より精度が増せば、特別な音響効果を備えたコンサートホールの設計や犯罪捜査の支援、犯罪現場の再現などさまざまな分野で応用可能となるだろうと期待している。(c)AFP