【6月15日 AFP】米映画製作会社グッド・モーニング・トゥー・ユー・プロダクションズ(Good Morning to You ProductionsGMTY)は、最もよく知られている英語の楽曲「ハッピーバースデー・トゥー・ユー(Happy Birthday to You)」は公有財産であり著作権の対象ではないことの確認を求め、米ニューヨーク(New York)の連邦地裁に提訴した。

 同社がこの楽曲についてのドキュメンタリーを製作していたところ、音楽出版社ワーナー・チャペル(Warner/Chappell)から音楽著作権使用料として1500ドル(約14万円)の支払いを求められ、支払いに応じなければ著作物の違法使用として1万5000ドル(約140万円)を請求すると通知されたという。

 GMTYは、ワーナー・チャペルはこの楽曲の著作権を持っていると不法に主張し、この楽曲の音楽著作権使用料として少なくとも年間200万ドル(約1億9000万円)を違法に得ているとして、これらの金を返還するよう求めている。

■元の楽曲は1893年に作曲

 GMTYによると、「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」は1893年にミルドレッド・ヒル(Mildred Hill)とパティー・ヒル(Patty Hill)の姉妹が作曲した「グッドモーニング・トゥー・オール(Good Morning to All)」という楽曲が元になっている。ヒル姉妹は自分たちが作った楽曲の権利をクレイトン・F・サミー(Clayton F. Summy)という人物に売却した。1924年にロバート・コールマン(Robert Coleman)という人物がこの楽曲を現在の形で発表したことをきっかけに法的な争いが始まった。

 GMTY側は、「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」に関する権利は遅くとも1921年には全て消滅しており、ワーナー・チャペルがこの楽曲に関する権利を持っているとすれば、それは1935年に出版された同楽曲のピアノ向けアレンジの複製権と頒布権に限られるはずだと主張している。

 この裁判についてワーナー・チャペルはコメントを拒否した。GMTY側の弁護士によると、ワーナー・チャペルは訴状を受け取ってから30日以内に訴えを却下するよう判事に求めるなどの対応を取ることができるという。(c)AFP