【5月29日 AFP】ショウジョウバエを使用し、人間の体内時計の仕組みの解明に寄与する革新的研究を行った米国の科学者3人に、賞金100万ドル(約1億円)の科学賞「ショウ賞(Shaw Prize)」が授与されることが決まった。主催者が28日発表した。

「概日(がいじつ)リズムの基礎となる分子メカニズムの発見」に対し、ジェフリー・ホール(Jeffrey Hall)、マイケル・ロスバッシュ(Michael Rosbash)、マイケル・ヤング(Michael Young)の米科学者3氏への同賞生命科学・医学賞の授与が決まった。

 概日リズムは、花が日中に開いて夜に閉じることから、睡眠パターン、時差ぼけの影響に至るまで、植物、動物、人間の行動を支配している。

 3氏は、ショウジョウバエの突然変異体に対する一連の画期的な研究を行い、概日リズムを制御している基本メカニズムである、24時間周期のフィードバック・ループを持つ遺伝子を発見した。

 3氏の研究によりこの後、このメカニズムに関与しているさらに別の遺伝子や、それらの遺伝子がどのようにして概日リズムを制御しているのかなどが明らかになった。

 今年で10年目を迎えるショウ賞は現在、生命科学・医学の他に、天文学と数理科学の分野での業績を評価し、おのおの賞金100万ドルを授与している。

「社会の発展の促進、生活の質の向上、人類の精神的文明の充実」への極めて優れた貢献をたたえて授与されるショウ賞は、香港(Hong Kong)の映画プロデューサーで慈善家のランラン・ショウ(Run Run Shaw)氏の資金で運営されている。授賞式は9月23日に行われる。(c)AFP