【5月28日 AFP】オーストラリアの首都キャンベラ(Canberra)に建設される豪情報機関「豪州安全情報機構(Australian Security Intelligence OrganisationASIO)」新本部ビルの極秘の設計図が中国のハッカーに盗まれたことが28日までに報じられた。オーストラリア放送協会(Australian Broadcasting CorporationABC)によるこの報道を受け、ボブ・カー(Bob Carr)豪外相は同日、中国との関係が損なわれることはないと強調した。

 ABCの番組「フォーコーナーズ(Four Corners)」によると、サイバー攻撃により盗み出された資料には、ビルの保安・通信システム網の配線図、建物の平面図、サーバーの所在地などが含まれている。サイバー攻撃の発信元を追跡したところ、中国国内のサーバーにたどり着いたという。

 カー外相は、国家安全保障へのサイバー攻撃の脅威に対して、政府当局はしっかりと対応しており、「憶測されていることのどれもが、われわれの意表をつくものではない」と述べた。また「あったとされている攻撃が中国当局の仕業であるかどうかについては、コメントを控える」と語った。

 オーストラリアは長年の米国の同盟国。だが一方で、中国が最大の貿易相手国であり、2国間の関係はより強まっている。カー外相は、「戦略的パートナーシップに対する影響は全くない」と述べ、サイバー攻撃をめぐる報道で中国との関係が損なわれることはないと語った。

 盗まれた設計図について、オーストラリア国立大学(Australian National University)戦略防衛研究センター(Strategic and Defence Studies Centre)のデス・ボール(Des Ball)氏は、秘匿性の高い会話が行われる可能性が高い部屋を特定したり、壁に装置を設置する方法を探り当てたりすることができるだろうと述べている。(c)AFP/Martin Parry