【5月19日 AFP】国際レスリング連盟(International Wrestling FederationFILA)は18日、ロシア・モスクワ(Moscow)で臨時総会を開き、2020年夏季五輪での競技実施存続を目指してルールの大幅な見直しを行うことで合意した。

 古代から行われているレスリングが、競技を観客にとってより魅力的なものになるようなルールの大改革で一致し、五輪からの除外を回避するため、最後の決死の勝負に打って出た。

 2月に行われた国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)理事会で、2020年夏季五輪の実施競技からレスリングを除外することが採択されたことは、米国からイランまでをつなぐ世界各国のレスリング競技団体に大きなショックを与え、同時に古代ギリシャやペルシャを起源とするスポーツが徐々に衰退していくことへの恐れを引き起こした。

 しかし、レスリングは五輪競技除外の最終決定を猶予されており、最後のチャンスを残している。IOC理事会はIOCの委員会に対し、五輪へ推薦する追加競技検討のための会議を5月29日にロシアのサンクトペテルブルク(St. Petersburg)で招集。最終決定は9月にアルゼンチン・ブエノスアイレス(Buenos Aires)で下される。

 FILAの代表団は、レスリングは長きにわたりスポーツのグローバル化の潮流に取り残されており、部外者にとって退屈で分かりにくく見えるというリスクにさらされていると語った。

 金メダルを争う決勝戦の残りわずかな時間と同様に、最終決定までの時間が刻一刻と刻まれていく緊急事態に際し、新しいルールは臨時総会翌日の5月19日から施行されることとなった。

 新ルールは投げ技や攻撃的なレスリングを好むテレビの視聴者にとって競技をより魅力あるものにすることを目的とし、グレコ・ローマンとフリー・スタイルの両方に導入される。

■主なルール変更は以下の通り。

・試合を従来の2分3ピリオドの2ピリオド先取制から、3分2ピリオドで合計得点の多かった選手が勝利。

・テイクダウンを奪った際の得点を1から2ポイントに引き上げることによって、選手がサークル内で戦おうとする意識を高める。

・消極的だとみなされた選手に対しては30秒間を与え、その間にポイントを挙げることができなければ相手選手にポイントが与えられる。

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