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電気分解による「環境に優しい」鉄の製法を開発、米研究

2013年5月12日 16:27 発信地:パリ/フランス

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電気分解による「環境に優しい」鉄の製法を開発、米研究
ドイツ・ザルツギッター(Salzgitter)にある同国鉄鋼第2位のザルツギッターの溶錬炉で作業中の従業員(2012年3月21日撮影、資料写真)。(c)AFP/JULIAN STRATENSCHULTE
【5月12日 AFP】地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出を抑制しつつ鉄鉱石から金属鉄を取り出す新しい方法を開発したという論文が8日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 論文を発表した米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)の研究チームによると、「溶融酸化物電気分解(Molten Oxide ElectrolysisMOE)」というこの新手法によって「製法の著しい単純化とエネルギー消費の大幅な減少の両方を実現できる」という。さらに、MOEは製鋼生産のCO2排出を緩和する有望な手段とみられているほか、副産物として酸素を放出するという利点もあるとしている。

 鉄は鋼鉄の主成分で、地殻から採鉱される鉄鉱石から溶錬という方法で取り出される。現在の溶錬は、極めて高温度で炭素を加えるためCO2の放出を伴う。

 研究チームはMOEのために電流による高温と腐食作用に耐えるクロム合金製の電気分解用陽極を開発した。ネイチャー誌の報道発表によると、これまでの電気分解による鉄抽出では高価なイリジウム製の陽極が使われてきたが、この新しい陽極は「低コストで、耐久性もある」という。

 同誌に掲載された解説記事で、英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)金属冶金(やきん)学科のデレク・フレイ(Derek Fray)氏は今回の論文は大規模な試験炉を設計する研究を促すだろうと指摘しつつ、「この発見を商業的に利用するにはかなりの技術的進歩が必要になる」と述べた。同氏によると、2011年の世界の鉄の生産量は約10億トンで、これに伴って発生したCO2は世界の大気におけるCO2増加量の約5%に相当するという。(c)AFP
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