【4月28日 AFP】政府は28日、第2次世界大戦(World War II)の敗戦後、1952年のサンフランシスコ講和条約の発効により日本が主権を回復してから61年を迎えたことを記念する「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を初めて開催した。

 都内で開かれた式典で安倍晋三(Shinzo Abe)首相は、天皇、皇后両陛下をはじめとする約400人の出席者を前に「本日を一つの大切な節目とし、これまでに私たちがたどった足跡に思いを致しながら、未来へ向かって希望と決意を新たにする日にしたい」と述べたほか、日本が戦後、民主的な経済大国として急速に発展を遂げたことに関連して、「私たちは、日本を強くたくましくし、世界の人々に頼ってもらえる国にしなくてはならない」と強調した。

 一方で、この日の式典は、日本が主権を回復して以降も20年間、米国の施政権下に置かれた沖縄県民の怒りを買うことになった。沖縄県の仲井真弘多(Hirokazu Nakaima)知事は、式典開催に反発する県民感情に配慮して出席を見送った。

 首相は沖縄への配慮を示し、沖縄が長期にわたって日本から切り離された事実を忘れてはならないとした上で、「沖縄の人々が耐え忍ばざるを得なかった戦中、戦後の苦労に対し、通り一遍の言葉は意味をなさない」「若い世代の人々に特に呼びかけつつ、沖縄が経てきた辛苦に、深く思いを寄せる努力をすべきだと訴えようと思う」などと語った。(c)AFP/Kyoko Hasegawa