【4月22日 AFP】イスラエル政府は21日、欧州航空会社との「オープンスカイ(Open Skies)」協定を承認した。 これに反対する地元の航空会社従業員数百人が抗議のストライキを行い、首相官邸の外でタイヤを燃やした。

 ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は声明で、「今日われわれが承認した改革は、イスラエルを行き来する航空運航コストを削減し、イスラエルへの観光客を増やすことを目的としている」と述べた。

 イスラエルの3つの航空会社、エルアル航空(El Al)、アルキア・イスラエル航空(Arkia)、イズレール航空(Israir)は、解雇が増えるとして同協定に強く反対している。

 イスラエルの有力労組「イスラエル労働総同盟(ヒスタドルト、Histadrut)」のOfer Eini議長はネタニヤフ首相への書簡で、「同協定をいまの形で実施するとイスラエルの民間航空業界に致命的で取り返しのつかない被害をもたらす」と述べた。

 ヒスタドルトはテルアビブ(Tel Aviv)のベングリオン国際空港(Ben Gurion International Airport)をグリニッジ標準時(GMT)23日午前2時(日本時間同日午前11時)から数時間閉鎖し、空港スタッフが航空会社従業員への連帯ストライキを行うと発表した。

 同協定では、欧州連合(EU)加盟国の航空会社は、現行の制限なしにイスラエルへの直行便の運行が可能となり、またイスラエルの航空会社はEU域内の空港への飛行がより自由となって旅行者の経済的負担が軽くなるとされている。(c)AFP/Delphine Matthieussent