【4月19日 AFP】18日、次期大統領の選出に失敗したイタリア議会の投票では大量の無効票が投じられたが、議員たちが投票用紙に書いた名前の中には、ポルノ俳優や女優、サッカー監督などが含まれていた。

 伊メディアによると、ラウラ・ボルドリーニ(Laura Boldrini)議長はまじめな口調で、ポルノ俳優のロッコ・シフレディ(Rocco Siffredi)さん(48)について「大統領候補の要件を満たしていない」と指摘したという。伊大統領には満50歳以上でないとなれない。

 女優のソフィア・ローレン(Sophia Loren)さんや、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)前首相の妻ベロニカ・ラリオ(Veronica Lario)さんの名前を書いた議員もいた。

 また、実際の大統領候補フランコ・マリーニ(Franco Marini)氏と姓が同じグラマー女優、バレリア・マリーニ(Valeria Marini)さんの名前もあった。

 これを知った当のバレリアさんは「うれしいわ!皮肉だとは分かっているけど、それでもうれしい」とコメント。大統領にはならないと念のため断った上で、「ふさわしい人選は重要。大統領は要の職ですから」と語っている。

 2か月にわたって混迷が続いているイタリア政界だが、事態の深刻さとは裏腹に、この日の議場では票に書かれた名前が読み上げられるたびに、議員たちから笑い声や拍手がどっと巻き起こった。

 中には、多くの人に愛されながら亡くなった喜劇俳優ウーゴ・トニャッツィ(Ugo Tognazzi)さんが演じたおちぶれた貴族「ラファエロ・マシェッティ(Raffaello Mascetti)」の名を書いた議員もいた。

 また、サッカーが熱狂的な人気を誇るイタリアらしく、元同国代表監督のジョバンニ・トラパットーニ(Giovanni Trapattoni)氏にも一票が投じられた。(c)AFP