【4月18日 AFP】シンガポールの交通当局は16日、朝の通勤時間帯の地下鉄の混雑を緩和するため、平日早朝の中心部の駅利用者を対象に運賃を無料化するサービスを1年間、試験導入すると発表した。

 シンガポール陸上交通庁(Land Transport AuthorityLTA)によると、運賃無料化の試験運用は6月24日から。平日午前7時45分までに都心部の地下鉄駅に到着した乗客は、運賃が無料になる。

 また、午前7時45分~8時に到着した乗客には、運賃から最高50シンガポール・セント(約40円)を割り引く。LTAの通常運賃は、乗車距離に応じて83セント~1ドル95セント(約66円~155円)。

 LTAは運賃無料化試験について、朝のラッシュアワーの通勤客に対しピーク時を避けての通勤を推奨するのが目的で、シンガポール政府が模索する混雑緩和の短期的な解決策の一環だと声明で説明している。シンガポール地下鉄の通勤ラッシュにはかねてから批判が集まっており、中には増え続ける外国人労働者が人々から仕事や居住地、交通の便を奪っているとして、政府の対策の不足を批判する声もある。

 LTAの広報担当者によると、1年間の試験導入にかかる費用は推定1000万シンガポールドル(約7億9000万円)という。(c)AFP