【4月15日 AFP】週末、フランスの刑務所から受刑者の男がダイナマイトでドアを爆破して脱獄し、フランスとベルギーの警察当局が懸命に行方を追っている。協力者がいるとみられるが、詳細はまだ分かっていない。

 脱獄したのはルドワン・ファイド(Redoine Faid)受刑者(40)で、アクション映画をまねて現金輸送車を襲撃するなど、数々の犯罪行為で有罪となり収監されていた。その後仮釈放となったが、2010年に女性警察官が死亡した強盗事件に関与したとして、2011年から再びベルギー国境から約10キロのセクダン(Sequedin)刑務所に収容されていた。この事件をめぐっては仏当局が捜査官100人以上を投入し、近く裁判が開かれる予定だったという。

 ファイド受刑者は、拳銃で看守4人を脅して人質に取り、爆発物でドアを次々と爆破して脱獄した。人質となった看守は全員無事に解放され、逃亡に使われた車両も高速道路上で焼け焦げた状態で発見された。警察当局はそこで車両を乗り換えたとみている。

 欧州各国に手配網が敷かれたほか、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール、Interpol)もこの脱獄事件に関して公示を出した。

 まるでハリウッド映画のような脱獄劇だが、事実、ファイド受刑者は3年前のインタビューで、犯罪計画を立てる際にはハリウッド映画などの作品を手本にしていると語っていた。

 ファイド受刑者がどうやって拳銃や爆発物を入手したのかは不明で、仏警察当局は困惑している。(c)AFP