仮想通貨「ビットコイン」、人気急上昇で価値高騰

2013年04月11日 20:21 発信地:パリ/フランス

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×独西部フランクフルト・アム・マイン(Frankfurt am Main)で、コンピューター・モニターに貼られた偽のドル札紙幣。驚いた表情のジョージ・ワシントン(George Washington)初代米大統領がプリントされている(2008年10月8日撮影、本文とは関係ありません)。(c)AFP/DDP/THOMAS LOHNES

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【4月11日 AFP】2010年5月、Laszloという名のプログラマーが、1万Bitcoinと交換でピザを数枚買ってくれる人はいないかとオンラインフォーラムで呼び掛けた──「ビットコイン(Bitcoin)」とは、2009年に立ち上げられた実験的なオンライン通貨の名称だ。ある人はこれを歴史上で最も有名なピザ購入と呼ぶ。

 Laszlo氏はこの時、「変な魚のトッピングとかそういうのはナシだ」と書いた。

 1ビットコインが1セント(約1円)以下のレートだった当時、この注文の価値は41ドル(約4000円)ほどだった。だが現在、それは140万ドル(約1億4000万円)ほどの価値がある。

 5日現在、1ビットコインの取引相場はおよそ135ドル(約1万3500万円)。2月初頭にはおよそ20ドルほどの価値だったが、前週前半には一時147ドル(約1万4700円)まで上昇した。この大幅な上昇については、キプロス金融危機の中、キプロスとロシアの国民が別の投資先を探しているためとの見解もあるが、一方では近いうちにバブルがはじけると警戒する声もある。

「完全に不合理だ」と話すのは、ロンドン(London)を拠点とするグレンデボンキング・アセットマネージメント(Glendevon King Asset Management)のポートフォリオマネージャー、ヤニック・ノード(Yannick Naud)氏。最近になってクライアントからビットコインについての問い合わせが増えたとしながらも、「投資家ならば、ビットコイン自体に根本的な価値があるとみることはできない」と述べた。

■中央銀行から独立した通貨、急速に人気に

 ビットコインは2009年、全ての中央銀行や金融機関から独立した通貨を創出しようと考えた匿名のプログラマーにより開発された。「電子マネー」の一種であるビットコインは、コンピューターの力を使って生み出される複雑なコード列により発行されている。このプロセスは「マイニング」と名付けられ、理論上はコンピューターの所有者なら誰でも発行することが可能だ。

 ビットコインはソフトウエアの設計上、新たなビットコイン発行がどんどんと困難になる仕組みになっており、通貨の流通量が最終的には2100万ビットコインで上限に達するように設計されている。

「マイニング」されたビットコインは、ユーザーのHDD(ハードディスク駆動装置)内の仮想ウォレットに保管され、別のユーザーに直接送金することが可能だ。このようなピアツーピア(P2P)方式での取引は銀行を経由しないため、匿名性が高い。だが一方では独自の危険性もある。2011年6月には、ハッカーらが仮想ウォレットを標的にし、一部ユーザーの口座残高がゼロに戻される出来事があった。

 当初はプログラマーたちにとっての珍しいアイテムだったビットコインだが、すぐにインターネットの影の領域、いわゆる「ディープウェブ」でも定着した。ディープウェブは匿名性が高く、アクセスするには十分な技術や知識を必要とするため、不法な薬物の売買や違法サービスの支払いにビットコインが用いられた。

 だがコンピューター愛好家や技術に詳しいリバタリアン(自由至上主義者)らがこの通貨を採用し始め、さらに最近では、合法の事業が次々とビットコイン決済を受け付けるようになった。ビットコインで商品の売買を行う小規模ビジネスも立ち上がり、何件かの取引では大きな話題を呼んだ。

 この通貨は一般に認知され始めている。あるカナダ人はビットコインでの自宅売却を求めたとされ、また別の米国人は2007年製のポルシェ(Porsche)を300ビットコインで売却したという。

 ロンドンのデジタルデザイナー、ロバート・ウォーカー(Robert Walker)さんは、2011年末ごろからの6か月間で200ビットコインほどを購入した。独自の通貨をネット上で「鋳造」するというアイデア、そして中央当局に管理されていない投資ということに胸を躍らせたという。

 購入にかかった資金は900ドル(約9万円)ほどだったが、現在では2万7000ドル(約270万円)ほどの価値がある。先週は過去最高値を更新したが、「人生が変わるほどのお金じゃないけれど、5年も経てばどうなるか分からないからね」と述べ、しばらくの間はビットコインを保有し続けるとした。

■人気拡大すれば政府と衝突か

 資産管理マネージャーのノード氏からみると、ビットコインは持続不可能なレベルに達しているという。ビットコインの総流通量の額面総額は現在10億ドル(約1000億円)を超え、これ以上の「成長」には、さらなる投資家が必要になるとしながら、「(ビットコイン市場)参入者が退場者よりも少なくなったときにバブルがはじけるだろう。時期を正確に特定するのは困難だが、この価格はあと1か月と持たないだろう」と予測した。

 一方、専門家らは、ビットコインが急激なデフレに極めて弱いと指摘する。例えば、政府当局がビットコインの規制をするには、投資家を脅してビットコインの信用を失わせることができるというのだ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)によると、米国の規制当局はすでにビットコインに注目しており、1万ドル(約100万円)以上の取引については記録しているという。

 カレンシーズダイレクト(Currencies Direct)のシニアアナリスト、アリステア・コットン(Alistair Cotton)氏は、「ビットコインに人気が集まれば、政府の取り締まりが始まることは予測できる。その結果、ユーザー数は大幅に減少するだろう」との見解を示している。(c)AFP/Thomas WATKINS

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