【4月11日 AFP】「鐘を鳴らせ!悪い魔女は死んだ(Ding Dong! The witch is dead)」――。米映画『オズの魔法使い(The Wizard of Oz)』のこの挿入歌が、マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元英首相の死去後、英音楽ダウンロードチャートのトップに躍り出た。

 映画の中で主演のジュディ・ガーランド(Judy Garland)たちが合唱するこの歌は、1939年にリリースされたもの。9日、英国内における米アマゾン(Amazon)の音楽配信サービスで突如、ダウンロード数1位に上がった。

 ジャズ歌手エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)によるカバー・バージョンも、アマゾンで4位につけたほか、米アップルの音楽配信サービス「iTunes」では英国内のボーカル曲部門の販売数トップになった。

 脳卒中のため8日に87歳で死去したサッチャー元首相が英国社会に残した「遺産」に対し、音楽ファンたちが下した「裁き」がチャートに反映された形だ。背景には、米SNSフェイスブック(Facebook)上で「英国を分断した元首相の死を祝おう」という呼び掛けが広がったことがある。

 全英の音楽販売データをまとめるオフィシャル・チャーツ・カンパニー(Official Charts Company)は、「英国の音楽ファンの悪趣味なユーモアセンス」に後押しされてこの勢いが続けば、「鐘を鳴らせ!悪い魔女は死んだ」は8日~14日の週間チャートでもトップ40入りするだろうとの予測を示している。(c)AFP